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2018年11月29日

御机下の読み方と意味・「御侍史」と「御机下」の使い分け

病院で主治医が別の病院の医師宛てに紹介状を書く時に使う「御侍史」と「御机下」は、日頃あまり耳にしない言葉ですが、医療関係の仕事をする方は絶対に知っておかなければいけない言葉です。この記事では「御机下」と「御侍史」の言葉の意味や使い分けを解説します。

御机下の読み方と意味・「御侍史」と「御机下」の使い分け

御机下の読み方と意味

御机下の読み方と意味・「御侍史」と「御机下」の使い分け

日頃目にすることはあまりありませんが、医療の世界で頻繁に使われる言葉に「御机下」「御侍史」があります。

「御机下」は「ごきか・おんきか」と読む謙譲語で、目上の人に直接手紙を渡さずに、「あなたの机の下に差し出しますから、お時間がある時に読んでください」という意味の言葉です。

この記事では宛名の脇付として使われる「御机下」と「御侍史」の使い方を解説していきます。医療関係の仕事を目指す方は必ず覚えてましょう。

「御机下」の類語「御侍史」

医者の世界で必ず出てくる言葉に「御机下」「御侍史」という言葉があります。「御侍史」は「ごたいし・おんじし」と読む謙譲語で、もともと「侍史」は位の高い方の書状を取り扱う専門職のことでした。今では医療事務担当者のことをさします。

「御侍史」は、「あなたにこの手紙を直接お渡しするのは大変畏れ多いので、侍史の方を通してお渡しします」とへりくだった表現です。

「御侍史」と「御机下」の使い分け

御机下の読み方と意味・「御侍史」と「御机下」の使い分け

「御机下」は「この手紙は机の下に置かせていただきます。お時間がある時に、ご覧いただけると幸いです」といった意味で、医師本人に直接渡されることを希望するニュアンスの言葉です。

「御侍史」は「この手紙を従者の方にお渡しいたします」という意味での言葉で、医療事務担当者医など、医師本人ではない人が取り扱ってもよいニュアンスがあります。

「御机下」と「御侍史」の意味の違いを理解して、うまく使い分けましょう。

御侍史より御机下を使用する理由

「御侍史」が医療事務担当者など、他の人が扱っていい手紙で「御中」と似たニュアンスの強い宛名なのに対し、「御机下」は、医療機関に届いても医療事務担当者に開封してもらいたくない、宛先の医師に直接読んでほしい「親展」と似たニュアンスを持つ宛名です。

脇付として「御机下」と「御侍史」のどちらを使っても失礼ではないのですが、「御机下」を使う方がよいケースもあります。

御机下と御侍史の共通部分

御机下の読み方と意味・「御侍史」と「御机下」の使い分け

この項目では「御机下」と「御侍史」の共通した言葉の構造と、手紙の宛名の脇付けに使う時の注意点について説明します。

「御机下」と「御侍史」は謙譲語で、両方とも相手を敬うために使う言葉ですが、自分をへりくだることで相手を立てる表現なので、使い方を間違うと相手に失礼な印象を与えてしまうため注意が必要です。

御机下と御侍史は謙譲語

「御机下」と「御侍史」は、自分がへりくだることで相手を立てて尊敬の意を表す「謙譲語」で、医師が他の病院の医師宛てに紹介状を書く時に「この病院で対処できない患者さんを、どうぞよろしくお願いします」という謙譲の念と、謹んで委ねるニュアンスが込められています。

「御社」や「ご担当者の方」などの尊敬語と違い、謙譲語の「御机下」と「御侍史」は濫用してはいけません。

御中との併用は不可

「御机下」と「御侍史」は病院の医師宛てに送る手紙につける脇付ですが、団体の敬称の「御中」とは併用できません。二重敬語になってしまうからです。

「御中」は、会社・団体の誰か分からない方宛ての場合に使い、会社・団体の後に個人名がある場合には「御中」は使用しません。例えば、他の病院の院長宛てに患者の紹介状を書く時には、このような書き方をします。

医療法人○○会 □□病院
院長 田中 太郎 先生 御机下

「御」をつけるのは間違いなのか?

このように「御机下」も「御侍史」も相手への敬意を表す言葉として使われていますが、本来は「机下」と「侍史」自体が敬語(謙譲語)なので、尊敬の意味を持つ「御」をつけるのは、二重敬語となるため誤用です。

しかし、日本語は時代によって変化するもので、「確信犯」や「気のおけない人」のように、誤用とされている言葉が、そのまま定着することがあり、「御机下」も「御侍史」も、一般的に使われています。

医師宛の手紙は必ず御机下か御侍史が必要なのか?

御机下の読み方と意味・「御侍史」と「御机下」の使い分け

医師の間で手紙やメールのやり取りをする際は、「御机下」や「御侍史」は高い頻度で使用されています。

日本最大級の医療従事者登録サイト「m3.com」が2017年に行った調査「「御机下」「御侍史」使うべき」では、製薬企業などから「ほぼ使われている」と答えた医師会員は全体の53.3%で、絶対に使うべき言葉ではなくなりつつあります。

必要ないの意見が多い

「御机下」と「御侍史」は、診療情報提供書(紹介状)など、医療機関同士でやり取りする文章に関しては、どの医療機関でも必ず使用しますが、若手医師の間では「必要ない」との意見もあります。

しかし、礼儀として、まったく面識のない医師宛の手紙やメールは、相手の年齢に関わらず「御机下」や「御侍史」を使用する方がよいでしょう。手紙を受け取った側に「失礼だ」と誤解されないようにするためです。

他の手紙などの場合

御机下の読み方と意味・「御侍史」と「御机下」の使い分け

「御机下」や「御侍史」は、医師から別の病院の医師への診療情報提供書などで使われる以外に、製薬会社や医療関連施設から出される手紙にも、医師に対する敬称のニュアンスで「御机下」や「御侍史」が使われることがあります。

昔は学校の先生や習い事の先生に宛てた手紙でも、「御机下」や「御侍史」を使うことがありましたが、今は「先生」と書く場合が多いです。

年賀状

手紙に「鈴木(仮名)先生 御机下」という書き方は、私信でも使えますが、同じ職場で働いている医師に宛てた年賀状なら、「鈴木(仮名)先生」でも十分尊敬の念は伝わります。

「御机下」や「御侍史」は医療関係の人以外でも使うことができますが、頻繁に使うと、事務的な印象を与えてしまう懸念もありますので、濫用しないようにしましょう。

連名で送るときは

年賀状や招待状などで、医師とその家族の方との両方に面識がある場合、宛名を連名にしますが、その場合は宛名を「様」または「先生」で統一します。

例 鈴木一郎先生とその奥様の花子さん(医師ではない)にパーティーの招待状を出す場合

鈴木一郎 様
  花子 様

「御机下」や「御侍史」を使わなくても「先生」で、十分尊敬の意を伝えることができます。

知っておくと便利な「御机下」

御机下の読み方と意味・「御侍史」と「御机下」の使い分け

「御机下」と対になる言葉「拝」

「御机下」は「あなたの机の下に置きますから、お時間のある時に読んでください」という意味の「机下」に「御」をつけた言葉で、元々は目上の人に宛てた手紙でに使われる言葉でした。今ではあまり目にすることがありませんが、医療関係の仕事では頻繁に出てくる言葉です。

ここでは「御机下」と対になる言葉の「拝」についてご紹介します。「拝」について知っておくと手紙を書く時に便利です。

「御机下」と対の表現として「拝」が用いられることもあります。病院の紹介状で相手先の医師に対し手紙を送る場合に「〇〇先生 御机下」と書き、差出人に「△△×× 拝」と表現します。

「拝」は本来、尊崇な神仏や高貴な人などに対して使われる言葉で謙譲語です。「拝」には「謹んで」という意味で、「見る」「聴く」などの言葉と結びつくと謙譲(自分がへりくだることで相手を高める)表現の「拝見」「拝聴」という言葉になります。

「拝」の使い方

「拝」は、上司や目上の人に宛てた手紙を書く時に使われる言葉で、手紙の末尾で差出人、つまり自分の姓の後に「拝」をつけて、相手への敬意を表す言葉として使われることが多いです。

例 「佐藤次郎」さんが差出人として手紙を送る時

目上の人に宛てた手紙「佐藤次郎 拝」
親しい間柄に宛てた手紙 「佐藤 拝」
家族に宛てた手紙 「次郎 拝」

医療の世界で頻繁に使われる「御机下」や「御侍史」

御机下の読み方と意味・「御侍史」と「御机下」の使い分け

「机下」は、会社や団体宛ての手紙につける「御中」や、父母に宛てる手紙につける「膝下」と同じ「脇付」で、「御机下」や「御侍史」は、医療関係以外では、あまり使われる言葉ではありません。

一般の人が「御机下」や「御侍史」という言葉に出会うのは、患者として医師から別の病院への紹介状をもらった時ですが、医療機関で働きたい方は、「御机下」や「御侍史」について必ず覚えておきましょう。

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